Dell Inspiron 700mは、デル初の12インチクリアワイド液晶を搭載したB5モバイルノートです。、日本のユーザーニーズを反映したスタイリッシュなデザインで、2004年に発売されました。 モバイルノートとは言っていますが、2スピンドルノートで重量が1.7キロあるので、持ち歩きしやすいかと言えば微妙なところです。
今回手にした Inspiron 700mは楽天市場のPCフレンズというショップで出ていたものです。ここのショップのジャンクはすぐ売り切れるのでなかなか買うことができないのですが、私がみたときは幸か不幸か売れ残りが何台かあり、その中からこれを選びました。 「残り物には福がある」とはいいますが、ことジャンクに関しては、あまり当てはまらないと思います。ジャンクの程度(故障の程度)がひどいか、単に価格に見合ってないか、大体そんなところです。 で、今回買った「Dell Inspiron 700m」はどんな具合かというと、
- ハードディスクなし、ACなし
- 筐体割れ
- 画面消灯スイッチ折れ
- 画面映らず
と、ショップの説明欄にありました。状態としては、ジャンクの見本??みたいな感じです。

大容量バッテリー付きですが、寿命が来ているようです。

所々に塗装剥げあり、使い込まれている外観、いかにもジャンクしてます。

画面消灯スイッチが欠損しています。ドライバーの先で示している部分に本来なら、突起部が無いといけません。
■動作チェック
梱包を解いて Inspiron 700mを取り出し、まずは外観チェック。使い込まれたのか、それともぞんざいに扱われたのか、ボディ角は所々塗装剥げ、天板もひっかき傷がかなり有ります。バッテリーが大容量の物が付いているので、いろんなところへ持ち運ばれて使われていたかも?です。 さらにボディをオープン、やはりすぐに目がいくのは「画面消灯スイッチ」、 Inspiron 700mは向かって右側のヒンジ部分にそれらしき「穴」、多分正常であればこの部分から突起が出ているところですが、それがありません。 画面不良ということですので、ここら辺と何か関連があるか気になるところです。 外観のチェックはこれくらいにして、ACアダプタをつなぎ通電させてみます。 本体はACなしなので、手持ちの中から合うものを探します。以前復活させたInspiron 1501の物がジャストフィット(同メーカーの物なので当たり前ですが)しました。 そして、スイッチオン。 画面に「DELL」のロゴが出てきて、その数秒後にブラックアウト。
「あれ?、画面不良といいつつ映るじゃん。ハードディスク入って無いから、そのまま画面真っ暗になるのかな?だとしたら、ハードディスク入れたら、ちゃんと動くかも??」
いつかNECのVersaProの時も、ハードディスクが付いていないため画面がフリーズしたことがあったので、この700mも同様かな?と考え、ハードディスクを取り付けて、ついでにWindowsのインストールまでしてみることにします。

Insipiron 1501とのツーショット、そのままサイズダウンしたかのような700m。ACアダプタも流用できました。

電源投入直後のワンショット。この数秒後には画面が真っ暗になってしまいます。

底部のハードディスク格納部とマウンタ、ハードディスクとマザーボードは専用のコネクタを介して接続するような構造です。
■やはりジャンク、一筋縄では・・・
底部の裏蓋を開けハードディスクを取り付けます。 電源投入後、起動ドライブの設定を変更するため、BIOSの設定画面を出します。 と、ここまでは良かったのですが、BIOSの設定画面を出したとたん、画面が突然消えました。何度か電源を入れなおしても、やはり同じように画面が突然消えます。 ということは、最初に電源投入した際、ロゴが出た後ブラックアウトしたのは、ハードディスクの有無が原因ではなかったようです。 さらにブラックアウト後の画面を詳細に見てみると、BIOS画面が微かにでているのがわかります。この症状は、そう「バックライト切れ」です。
■バックライト切れ??
今までバックライト切れジャンクといえば、電源投入直後から画面が真っ暗というものしか手にしたことがありません。後、バックライトが劣化して起動直後に画面が赤くなるという状態のものぐらいです。 電源投入後、数秒間は画面が赤化することもなく映っているのにバックライト切れになるのは、どういうことでしょうか? バックライト切れの原因としては、液晶パネル内の冷陰極管の故障、あるいは冷陰極管を点灯させる為のインバーターの故障が考えられます。 この場合、一応点灯はしているので、冷陰極管もインバーターも悪くないような感じですが・・・
■怪しい「画面消灯スイッチ」
となると、折れた画面消灯スイッチが気になります。 これはノートパソコンを閉じたときに、画面をオフにするためのスイッチですが、折れた際に何か不具合が発生して、このような状態を引き起こす元になっていると考えられなくもないので、この部分を分解して調べてみます。 ヒンジカバーをドライバの先でこじって外すと、折れたスイッチの下に基板上にある本当のスイッチが確認できます。 この状態で電源を投入、画面が消えたところで、基板上のスイッチをドライバーの先で押してみます。 何か変化があると思いきや、全く変化無しです。

ヒンジカバーをはずしているところです。

赤丸部分が消灯スイッチです。このスイッチの不良を疑いましたが、見込み違いでした。
■液晶パネル分解
どうも画面消灯スイッチが関係なさそう、ということは、冷陰極管もしくはインバーターに原因があるのでしょうか? こちらの方も確認の為、分解して調べてみます。
液晶パネルのフロントベゼルは、ゴムふたに隠されたネジをゆるめ取り外します。 フロントベゼルを外すと液晶パネル下にインバーターが有り、まずこれを取り外して目視で異状が無いことを確認。 ケーブル類などにも異状がないか見てみます。 そこで、今回の不具合とは関係ないですが、マザーボードとスピーカー(インバーターの左右に有り)を繋ぐケーブルが断線しているのを発見しました。 さらに断線したケーブルのうち、マザーボード側のケーブルが無くなっています。 構造上自然と無くなるとは考えにくいので、分解歴があるのかもしれません。

赤丸部分にフロントベゼルを固定するネジが隠れています。

フロントベゼルを取り外すと、パネル下部、スピーカーユニットに挟まれたインバーターを確認できます。

スピーカーケーブルが断線していました。
■原因はどこに??
素人的方法でお勧めではないのですが、インバーターを別の液晶パネル(もちろん、冷陰極管が正常に点灯するもの)に接続して、その動作を確認してみます。 同じ現象が再現するのであれば、インバーターの不良か、そのおおもとのマザーボード、 正常に点灯するのであれば、冷陰極管に問題ありということになります。 Gatewayのジャンクを修理した際に取り外した液晶パネルで動作を検証してみます。 そして、その結果は、正常に点灯しました。 このことから、今回の不良の原因は冷陰極管にある可能性が高いと思われます。 なぜ、一度点灯したバックライトが切れる原因は勉強不足でよくわからないです、もしかしたら、冷陰極管に寿命が来ていたのかもしれません。 液晶パネルの冷陰極管を交換すればいいのですが、手持ちになく、そのうちこのパネルに合う冷陰極管を手に入れて、交換してみようと思っています。

インバーターを取り外したところ。外観は特に異状はないようです。

別の液晶パネルとインバーターを接続しているところです。

バックライトは正常に点灯しています。液晶割れのパネルを使用しているため、見た目が悪いです。
この後、冷陰極管の交換を行い正常に戻りました、詳細はこちら↓↓↓↓↓
>>冷陰極管交換■バックライト切れジャンクDell Inspiron 700m<<