B5ノートやLibrettoの様に持ち運ぶことを前提としたノートパソコンには概ねドライブはハードディスク(ワンスピンドル)のみと言う構成の物が多く見られます。 そこで困るのが、OSのインストールです。 ジャンクノートパソコンや格安な中古ノートパソコンなどOSがインストールされていない状態で販売されている場合が多いし、ジャンクにはハードディスク自体が無いこともあります。 最近のノートパソコンにはOSをCDなどのメディアからではなく、ハードディスク内にリカバリ領域を作っておき、ここからインストールするタイプに変わってきていますが、このリカバリ領域を削除されているノートパソコンも多いです。
さて、このLibretto L2もハードディスクはフォーマットどころか領域もしっかり削除されていました。 改めてこのLibrettoにwindowsをインストールしようと思うのですが、CDドライブを内蔵していないので、CDドライブ内蔵のパソコンとMS-DOSでネットワーク接続し、ドライブを共有してインストールを行います。
MS-DOS上でネットワーク接続する為には専用のアプリケーションが必要となりますが、マイクロソフトが公開している「Microsoft Workgroup Connection」というアプリケーションを使用します。

ジャンク品のLibretto L2です、バッテリー無し、ACアダプタ無しの状態で購入しました。 ACアダプタがないので流用ACアダプタを使います。パナソニックACをコネクタ部のみ変更していています。
■Libretto L2側の設定■
★Libretto L2のハードディスクを領域確保とフォーマットを行います
IBMのUSBフロッピーディスクドライブを接続し、windows98の起動ディスクでMS-DOSを起動、ハードディスクの領域確保とフォーマットしました。
(注)ハードディスクフォーマット後は、フロッピーディスクドライブから起動しなくなる為、”F”キーを押しながら、電源を投入します。 Libretto L5は、”F12”キーで起動ドライブが選択できましたが、L2では出来ません。BIOSの設定でも起動ドライブを変更することも出来ません(そもそもBIOS設定が不可能です)
■ 接続先パソコン側(windows XPマシン)の設定■
接続先となるパソコンは、管理者がメインで使用しているThinkPad A31、もちろんオールインワンタイプなので、FDドライブ、CDドライブを搭載しています。 インストールしているOSは、windowsXP PROです。
★プロトコルのインストール(NetBEUI)
ネットワーク接続に使う「Microsoft Workgroup Connection」は、プロトコルに「NetBEUI」を使用するのですが、このプロトコルはXPには標準でインストールされていない為、XPのインストールディスクからインストールする必要があります。
参考URL:Windows XP に NetBEUI をインストールする方法
■ ネットワーク接続作業 ■
Microsoft Workgroup Connectionでのネットワーク接続については、このサイトで何度か紹介しています。作業の流れは大体同じなので詳細は以下をご覧ください。
★MS-DOSでネットワークに接続しよう (Libretto L5をMS-DOSでネットワークに接続させる)
★MURAMASA PC-MT1-H1SをDOSでネットワークに接続する
なお、Libretto L2のイーサネットチップはインテル製なので、インテルのサイトよりMS-DOS用LANドライバをダウンロードして使用します。
ファイル名:PRODOS.exe
■ネットワーク接続後■
ネットワーク接続後、インストールするwindows2000がアップグレード版の為、アップグレード対象のwindows、ここではwindows95となりますが、95のインストールディスク内の「win95」フォルダをLibrettoにコピーします。
アップグレード版については、面倒ですがいったん95をインストールしておき、ネットワーク先のCDドライブからあらためてwindows2000をインストールするという流れになります。
ちなみにアップグレード版の「i386」フォルダをLibrettoのハードディスクにコピーして「winnt.exe」を実行すると、再起動後にセットアップができなくなってしまいます。以下のようなメッセージが出ました。
「以前のバージョンのwindows NTが検出されませんでした。このアップグレード製品のインストールに対して使用条件を満たしているかどうかを確認できません」
これについては何か回避の方法があるのではないかと色々調べてみましたが、分からずじまいです。
(注1)フォルダコピーの際「smartdrv.exe」をwindows95インストールディスクから探し出して実行しておきます。コピーにかかる時間が短縮できます。
(注2)LANドライバについて、windows95をインストール後LANドライバをインストールしますが、インテルの95用ドライバ(PRO95.EXE)では、正常にインストールできませんでした、代わりにDOS用のドライバ(PRODOS.exe)を使うとうまくいきました。
■windows2000アップグレード版インストール■
Libretto L2は標準でメモリが128MBとなっています。64MBの増設メモリが手元にあったので本体底部にある増設スロットに取り付け、メモリを増設しました。少しでもメモリは多い方が動作が良くなります。メモリを増設したらwindows95を起動し、ネットワークの共有ドライブからwindows2000アップグレード版をインストールします。

★本体底部のメモリスロットに64MBのメモリを増設します

★インストール後の画面です、各種ドライバがあたっていない状態ですので、画面も小さくしか写っていません。(注)LANドライバはwindows2000をインストールした時点で、ドライバがあたっていました。
■windows2000用ドライバの導入■
Libretto L2にはwindows MEのライセンスシールが貼ってあることから初期導入OSはMEで、MEのドライバについては東芝のサイトでダウンロードできると思いますが、windows2000はどうなのか、もし、無い場合は流用ドライバを探さないといけないかもしれません。とりあえず「dynabook.com」のサポート情報の中を探すと、OS&モジュールアップグレード というOSをアップグレードする際の必要なドライバ情報を検索できるページがあり、ここでLibretto L2を検索すると、L2のwindows2000用ドライバが提供されていることが分かりました。提供されているすべてのドライバを導入します。

★windows2000各種ドライバインストール後の画面
■ジャンクな256MBメモリの増設(おまけの話)■
Libretto L2の仕様ではメモリが最大で256MB搭載できることになっています。オンボードで128MB、増設スロットは一つなので、このスロットに128MBのメモリを差すことで、Max256MBとなります。
ところで,このスロットに256MBのメモリを差すとどうなるのでしょうか?あわよくば・・・という感じですが、残念ながら半分の128MBしか認識しません。

★256MBメモリを装着しますが、windows上では128MBとなってしまいます。
写真の256MBメモリ、実はジャンク品でメモリテストをするとエラーが出ます。がしかし、Libretto L2に装着すると半分しか認識しないおかげ?か、エラーのあるメモリチップをうまく回避しているようでwindows上で東芝PC診断テストを実行するとメモリは正常と診断され、使用中にも不具合はでませんでした。

★メモリテスト実行中、エラーが出まくりです。

★東芝診断テストでは「正常」です。
では、エラーのある256MBメモリがすべて大丈夫かというと、そうではないと思います。今回たまたま、エラーのあるメモリチップを回避しているだけで、反対にエラーのあるメモリチップを認識する場合もある可能性もあります。